第186回 ライブハウスの良し悪し
クラシックでは良く「コンサートホールは楽器の一部である」と言われる。確かにそうだろう。音が重視されるのが音楽なのでそれを演奏する場所も音の良し悪しには大いに関係してくる。ジャズの場合は演奏する場がコンサートホールではなくライブハウスであることが多いのでライブハウスの良し悪しは演奏を大いに左右する。
ライブハウスはそのものの良し悪しもさることながら演奏者との相性が第一である。これにはハード面とソフト面がある。前者ではライブハウスの立地、音響、器材類(楽器を含む)、ステージの広さなどがある。ソフト面と言うのは難しいが要するに客種や店の雰囲気などだろう。店主の性格なども大いに関係するかもしれない。
ハード面で最も気になることはやはり楽器だろう。店に備え付けの楽器で一番重要なのがピアノである。中にはジャズを専門としないライブハウスではエレピしかない店もある。やはりピアノであることが望ましい、できればグランドピアノであれば申し分ない。更に最低限調律だけはきちんと行われた楽器であって欲しい。
ソフト面で最も重視されるのは店の雰囲気である。客種はその店に培われたものである。店主があまり口うるさくてもいけない。私個人の好みから言えばやはりじっくり我々の演奏に耳を傾けてくれる客がベストだ。さらに適宜拍手など戴けたら言う事はない。尤もこうした客はバンドが育てるものでライブハウスの責任ではないかもしれない。
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